技術の生態系

技術は進化する。ここで、進化とは必ずしも進歩を意味しない。 進化は進歩ではない 進化(英:evolution)とは狭義には「時間の経過に伴う生物集団中における遺伝子頻度の変化」であって、進歩(英:progress)という概念とはまったく別のものである。地中で…

"Let It Be" の替え歌 "Write in C" はもっと評価されるべき

知人の紹介で知った替え歌。すごい気に入ってしまった。delicious では結構ブックマークされているのに、はてブではあまりブクマされてないね。日本ではあまり知られてないのかな。 When I find my code in tons of trouble, Friends and colleagues come to…

インハウスCADは失敗ではない

CAD

先日書いたとおり、日本のインハウスCADは海外製品に押されて存在感を失いつつある。しかしそれでも、インハウスCADは失敗だったとは思わないんだよね。それがここで書きたいこと。 本題に入る前に。先日のエントリには思わぬアクセスがあってびっくりした。…

消滅つつある日本のCAD開発史

CAD

「ググッて見つからないものは存在しないと同じ」そんな言葉が脳裏に浮かぶ。かつて日本の自動車メーカーは、各社が独自のCADを内製していた。ふとしたきっかけで、これらインハウスCADの歴史を調べようとしたのだけれど、これがさっぱり見つからないのだ。…

僕がJavaを選ばなかった理由

先日、大学時代の後輩と久しぶりに会った。彼はSeasarのコミッタにもなっているとても優秀なJavaプログラマだ。その彼が、ビールを片手にこう尋ねた。「どうしてC#にしたんですか?Javaを選ばなかった理由って何かあるんですか?」僕は答えた。「Javaにはstr…

「お主、できるな」

日経ビジネスに載っていた上野千鶴子氏の言葉。 よくこんな例え話をします。お互いにつばぜり合いをやって、自分と互角ぐらいの力量の持ち主にさっとにじり寄られて耳元で一言、「お主、できるな」。これが恐らく男たちにとっては最高の瞬間です。これが効く…

なんだこのロボットwww

こういう「なんの役に立つんだwww」的なヤツは結構好き。 Learn to build your own six legged robot with an attached CNC router for a head. The demonstration video is fantastic, showing the robots mobility while it carves an intricate 3d hum…

リファクタリング力を分解する

先日のエントリ「リファクタリングとヒステリシス - カタチづくり」で色んなフィードバックを頂いたので、もうちょっと考えてみた。 先日のエントリと同様、次の2つのパターン (1) と (2) を考えることにしよう。 (1) 最初から 機能A と 機能B を把握してい…

リファクタリングとヒステリシス

リファクタリングとはソースコードのエントロピーを小さく抑えることであり、これを言い換えれば「設計のヒステリシスを小さく抑えること」なんじゃないかと思う。例として、機能A と 機能B の2つの機能を備えたソフトウェアの開発を考えてみる。最初から 機…

「技術はビジネス/文化ほど重要ではない」か?

ヨードン博士の「ソフトウェア工学で最も大切な10の考え方」という資料を、平鍋さんが翻訳されていた。ヨードン博士が「書いたよ」ってtwitterでつぶやいて、平鍋さんが「翻訳したいな」って呟いて、5分で「いいよ」って返事をもらったとか。すごいなー。平…

lengthはレンクス

まー、英語の発音をカタカナで書いたってしょーがないのではありますが。小生、length はずっと「レングス」と思ってたわけですが、どっちかいうと「レンクス」のほうが正解に近いみたい。知らなかったー。おいおい、g って書いてあんのに、なんで k の発音…

搾取されるクラフトマンシップ

もうダメかも分からんね。今週の日経ビジネスの特集記事「トヨタショック / モノ作り危機 - 現場力死守、最後の戦い」を眺めながら、そんなため息が出てしまった。 日本という国は、少なからずクラフトマンシップで成り立っている、と思う。しかしながら、そ…

美容師さんのハサミは10万円

髪を切ってもらいながら美容師さんと雑談した。美容師さんは、ハサミは自分で買うのだそうだ。仕事で使う道具であるけれど、会社は一銭たりともだしてくれないらしい。ハサミを買ってくれる会社なんて聞いたことがないと言っていた。そのハサミの値段だけれ…

「合意」という幻想

マイクロソフトの萩原さんがmixiで書かれていた日記の中に「合意がなくても動作するシステム」という言葉があって、なんだかはっきり分からないけどこれはとっても面白いなぁと感心してしまった。この「合意がなくても動作するシステム」という言葉は別にそ…

なかなか気付かないバグ

少々ハマったので、ここにメモしておく。恥を晒しておけば同じミスは繰り返さずに済むかもしれないし。まず、次のインターフェイスを持つ「状態」オブジェクトを考える。 interface IState { void Enter(); void Exit(); } この状態に遷移したときには Enter…

僕がTDDをやめた理由

タイトルは、まあ、半分釣り。TDDな人もそうでない人も、肩の力を抜いてお気楽にどうぞ。 本題に入る前に まずお礼 ここで書くことは、前の記事 TDDはYAGNIに矛盾する? - カタチづくり から派生して色んな方と意見を交わした経験が元になっています。この場…

TDDはYAGNIに矛盾する?

Joel on Softwareに面白そうな記事が載っていた。とはいえ、どうも僕の英語力では完全な読解が難しい。会話を書き起こしたものなので当然ながら文体が会話調で、僕にはなかなか理解が難しいのだ。以下で僕の読み間違いがあれば指摘して欲しい。 さて、冒頭で…

「幸せ」の最大化戦略

政治の役割って何か。それは国民をハッピーにすることだ。 ハピネス関数 さて、日本人口を N とし、国民の集合Pを次のように定義する。ここで、各国民の幸せ度を測る関数 h(p) が定義できたとして、その関数をハピネス関数と名づけよう。つまり、国民 のハピ…

アメリカ雑感

アメリカというのは特異な国だな、と思う。 国がきちんとひとつの国として存在するためには、その国のアイデンティティというものが必要なのだと思う。何が自国であって何が他国なのか。誰が自国民であって誰が他国民なのか。誰が味方で誰が敵なのか。自分と…

雇用の流動性

どうして、いわゆる給料の低い人たちばかり、雇用が流動的になってしまったのだろう。 もっと給料の高い人たちこそ、労働市場を流動的にするべきなのではないだろうか。 ・・・原因と結果が逆だったかもしれない。こう表現するべきだろうか。 どうして流動的…

機械に嫉妬する

小学生の頃、デフ(ディファレンシャルギア)の構造に感動した記憶がある。たぶん、子供向けの図鑑みたいなものを見たんだと思う。思うに、デフよりも美しいソフトウェアは作れない。 さっきテレビにカラクリ人形が映っていた。ソフトウェアには、どんなに頑…

ソフトウェアを基点にハードウェアを発想する

これからの時代、面白いモノづくりって、ソフトウェアが基点になるんだと思う。 今のところ まずハードウェアを開発する(すでにハードウェアがある) 次にそのハードウェアの上にどんなソフトを載せるか考える ていう順序が多い気がする。つまり、言い換え…

YAGNIの前に計画を立てよう

これ、若干の違和感を感じたので。違和感というより説明不足って感じかな。 そんなあなたにおすすめなのが、eXtreme ProgrammingのYAGNI(You Aren't Going to Need It)の考え方。意訳すると「今必要のあることだけをやれ」という感じかな。「人は未来のこと…

金融危機はラッキーだ

明けましておめでとうございます。今年もよろしく。 逆説的に聞こえるでしょうけど、金融危機のおかげでむしろ今年は希望に溢れる年に出来るはず。そういうつもりで明るくいきましょう。 自動車産業って既に衰退期だよね。少なくとも、これからどんどん伸び…

「日本」から受け取るメッセージ

かのポール・グレアムの有名なエッセーで「都市と野心」というのがある。 大都市は野心家を引き付ける。大都市を歩くだけで、それを感じることができる。不特定多数の複雑かつ巧妙な方法で、都市は人にメッセージを送る。「もっとできる、もっとがんばれ」、…

クォータニオンによる回転を美しく理解する

またしてもクォータニオンの話。 え?しつこい?うるさいな、あなたは飽きたかもしれないが僕は飽きてないんだ、あなたとは違うんです。 ・・・さて、クォータニオンで空間の回転変換が計算できることは以前から知っていたことだし、ゴリゴリと式を展開すれ…

クォータニオンとオイラーの公式に関する疑問

先日に引き続き、クォータニオンについて。 クォータニオンについて、一つ疑問に思っていることがある。これはホントに知りたいと思っているので、誰か分かる人がいたらぜひ教えて欲しい。 疑問 複素数には、オイラーの公式という非常に美しい式があるわけだ…

クォータニオンの探検

※ 式の符号が間違っていたので直しました。[2008.12.05]やべぇ、クォータニオンって結構むずい・・・。先日読んだ論文に、クォータニオンでは下記の式が成立すると書かれていたのだけれど、これがどうしてなのかサッパリ分からず困っていた。 基本をきちんと…

エアーズロック!

行ってきた! しかし、天気予報が雨だったため登山道は閉鎖、登れなかった・・・。 そのかわり(?)、パノラマ写真用の素材を撮ってきて合成してみた。

外国語学習の科学

これは面白かった。外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)作者: 白井恭弘出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/09/19メディア: 新書購入: 73人 クリック: 963回この商品を含むブログ (95件) を見る目次を紹介しておこう。 母語を基礎に外国…