雇用の流動性

どうして、いわゆる給料の低い人たちばかり、雇用が流動的になってしまったのだろう。
もっと給料の高い人たちこそ、労働市場を流動的にするべきなのではないだろうか。


・・・原因と結果が逆だったかもしれない。こう表現するべきだろうか。
どうして流動的な労働市場では給料の相場が低いのだろう。
どうして硬直的な労働市場のほうが給料の相場が高いのだろう。


流動的、とはちょっと面白い表現。
それはポジティブに捉えれば機敏ということであるし、ネガティブに捉えれば不安定ということ。
どちらかといえば、流動的、という表現はポジティブな感じがする。つまり、雇用は流動的であるべきだと主張したい人は流動的と表現し、雇用は安定しているべきだと主張したい人は不安定と表現する。
もし雇用が安定したとして、それを嫌う人は「雇用が硬直的になった」と表現するに違いない。


航空機においては、不安定性と操縦性は同義だ。
操縦桿の操作に対して機体が敏感に反応する状態。それをポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるか。それだけの違い。
旅客機は安定して飛ぶことが重要だ。宙返りなんて出来なくていい。とにかく安定性が重要だ。
逆に戦闘機は、安定なんて不要だ。安定した戦闘機はあっというまに撃墜されてしまうだろう。そうではなく、操縦性が必要なのだ。

日本に起業家が少ない理由。それは中途採用が少ないから。

404 Blog Not Found:起業ドロップアウトの行き着く先は - 書評 - マイクロソフト戦記

なるほど、と思った。
つまり、起業するような知的で創造的な人たちの、労働市場が硬直的だからか。


でも、この層の労働市場こそ、流動的にするべきなのではないのかな。このレイヤーこそ、安定性よりもむしろ機動性を重視して国を引っ張る原動力とするべきなんじゃないのかな。

能力ある人こそ、不安定で機敏な戦闘機に乗せるべきだよね、高い給料と共に。