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「安心」と「信頼」

これ、たぶんとても有名な本だと思う。前から気になっていたのだけれど、最近になってようやく読んだ。日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点作者: 山岸俊男出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2008/02/26メ…

とある金型メーカーから聞いた苦悩と展望

先日、とある金型企業を見学させていただく機会に恵まれた。主に自動車関係のアルミ鋳造金型を設計製造している中小企業だ。ご存知のように、現在こういった金型関係の中小企業は苦境に立たされている。そんな状況の中で、社長さんから伺ったお話は大変興味…

マイナスイオンとプラズマクラスターとスパコン

裾野に広がりのない山が高くなることはないと思うんだよね。日本って、科学という山の裾野の広がりはどーなんでしょ。その裾野を見てみるとねー。 日本を代表するようなメーカーが「マイナスイオン」とか 日本を代表するようなメーカーが「プラズマクラスタ…

「お客様は神様」とか、秦の宦官・趙高とか

宗教における権力の源泉としては、次のパターンが一つの典型例だと思う。 素晴らしい神がいる その神の言葉を伝えられるのは私(教祖)だけ だから私の言葉は神の言葉だと思って聞け 先日、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を読んだ。その冒頭で秦の宦官・趙高の…

イノベーションの伝播に関する仮説と考察

イノベーションとは次の2段階を踏む、という仮説を立ててみた。 新技術の開発: 後工程から始まって、前工程に伝播する。 市場への浸透: 前工程から始まって、後工程に伝播する。 次の2つを事例として検証してみる。 3次元CAD/CAM(製造業) オブジェクト指…

インターネットの壁

安部公房「壁」のはじまりは衝撃的だった。壁 (新潮文庫)作者: 安部公房出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1969/05/20メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 136回この商品を含むブログ (164件) を見るある朝、主人公は自分の名前がなくなっていることに気づく。…

技術の生態系

技術は進化する。ここで、進化とは必ずしも進歩を意味しない。 進化は進歩ではない 進化(英:evolution)とは狭義には「時間の経過に伴う生物集団中における遺伝子頻度の変化」であって、進歩(英:progress)という概念とはまったく別のものである。地中で…

搾取されるクラフトマンシップ

もうダメかも分からんね。今週の日経ビジネスの特集記事「トヨタショック / モノ作り危機 - 現場力死守、最後の戦い」を眺めながら、そんなため息が出てしまった。 日本という国は、少なからずクラフトマンシップで成り立っている、と思う。しかしながら、そ…

「幸せ」の最大化戦略

政治の役割って何か。それは国民をハッピーにすることだ。 ハピネス関数 さて、日本人口を N とし、国民の集合Pを次のように定義する。ここで、各国民の幸せ度を測る関数 h(p) が定義できたとして、その関数をハピネス関数と名づけよう。つまり、国民 のハピ…

アメリカ雑感

アメリカというのは特異な国だな、と思う。 国がきちんとひとつの国として存在するためには、その国のアイデンティティというものが必要なのだと思う。何が自国であって何が他国なのか。誰が自国民であって誰が他国民なのか。誰が味方で誰が敵なのか。自分と…

雇用の流動性

どうして、いわゆる給料の低い人たちばかり、雇用が流動的になってしまったのだろう。 もっと給料の高い人たちこそ、労働市場を流動的にするべきなのではないだろうか。 ・・・原因と結果が逆だったかもしれない。こう表現するべきだろうか。 どうして流動的…

金融危機はラッキーだ

明けましておめでとうございます。今年もよろしく。 逆説的に聞こえるでしょうけど、金融危機のおかげでむしろ今年は希望に溢れる年に出来るはず。そういうつもりで明るくいきましょう。 自動車産業って既に衰退期だよね。少なくとも、これからどんどん伸び…

「日本」から受け取るメッセージ

かのポール・グレアムの有名なエッセーで「都市と野心」というのがある。 大都市は野心家を引き付ける。大都市を歩くだけで、それを感じることができる。不特定多数の複雑かつ巧妙な方法で、都市は人にメッセージを送る。「もっとできる、もっとがんばれ」、…

裁判員制度は裁判の劇場化を加速するか

あ、これ↓、前に僕も似たようなこと書いたなぁ。 武田 ・・・まさにプレゼン能力に長けた方が勝つようになる、そういう状況になって来かねないですね。郷原 実際そうなっているんですよ。・・・武田 うまいかへたかなんですね。正しいか正しくないかじゃなく…

お金は保存量じゃないんだよね

今朝の朝刊に、こう書いてあった。 先月来 世界1400兆円失う 思わず「無くなったその1400兆円はどこへ行ったの?」と聞き返したくなるけれど、文字通り消滅したんだよね。誰かが盗ったわけじゃない。お金は保存量じゃないから、世界のお金の総量は増減するわ…

毎日新聞とゲリラ戦

普通の大企業は、そういうリスクとこれまでも常に対峙してきた。メディア企業も、ついに普通の企業と同じ立場に立たされてしまった、ということだけだ。 ・・・ 既存のメディアの権益に対し、それをチェック・アンド・バランスできる、別の新しいメディアが…

人はノードか、エッジか

人間関係のネットワークというと、こういう図が浮かぶ。これはヒトをノードと捉えたグラフだ。mixi的世界観ですな。 だけど、見方を変えれば、次の図のような捉え方も出来るのではないか。 これは、ヒトをエッジと捉えたグラフだ。ヒトが価値と価値を結ぶ役…

雇用流動性のジレンマ

この世には A 社と B 社の2つしか会社がないとしよう。しかも、A社とB社の従業員数は必要十分で過不足がなく、欠員が出れば補充したいという程度で大きく人材募集はしていない、としよう。さて、A 社に勤めるノビタ君は B 社に転職したいと思っている。 同…

イナゴの勘違い、誠意のすれ違い

僕は今、なんだか心がざわついている。泡立つような感じ。悲しいような、腹立たしいような、苛立つような、、、。 ある人が自宅の鍵をかけ忘れて、その隙に空き巣に入られてしまったとする。悪いのは誰か。 「そりゃ、鍵をかけ忘れた人が不用心だよ。自業自…

鶏と卵とイノベーション

この世にはイノベーションという言葉が溢れているのだけれど、残念ながらイノベーション自体はそれほど溢れてはいない。そりゃそうだ、イノベーションって、難しいもの。経営誌を見ても、どこぞの会社の「わが社の使命は云々」みたいな文章を読んでも、猫も…

ワーク・ライフ・バランス

日本電産の社長の発言もあって、ワーク・ライフ・バランスという言葉を目にする機会が増えたように思うのだけれど、いまひとつしっくり来ないという感触がある。「仕事」って、「ライフ(=生活、人生、命)」の対義語なのだろうか。「仕事」って、「ライフ…

劇場型裁判と裁判員制度と弁護士の行方と

以下、素人意見も甚だしい雑感になる。光市母子殺害事件で死刑判決が出た。僕にはこの判決が妥当なのか判断する能力はないし、そんなおっかないことをウェブに書くつもりもない。また、何かと物議を醸した弁護団であるが、それに対する善悪の判断も僕には出…

生産性を1000倍にするのは現実的な課題である

まさに「貧乏暇なし」だ。 弾言する。暇を作れぬ奴に金は作れない。 404 Blog Not Found:暇を作れぬ奴に金は作れない 「暇」という表現に抵抗があるなら、「ゆとり」と置き換えても良いだろう。書籍「ゆとりの法則」には8ピースのパズルの話が登場する。ゆと…

変革のボリューム

「社会を一気によくしようとする」試みは必ず失敗する。 変革が好きな人たち - 内田樹の研究室 変革のボリューム、なるものを定義できないか。 そうそう世の中一気に変わることはできない、と思うわけで、これは要するに起こしうる「変革のボリューム」には…

コントロールか、サバイブか

読もうと思いつつ、なかなか読まずにいた一冊、年越し前に慌てて購入して年越し前になんとか読了した。フラット革命作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/07メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 151回この商品を含むブログ (119件) を見…

スペシャリストとゼネラリスト

スゲーことに気づいちゃったよ。「そんなの当たり前だろ」って言われちゃうことかもしれないけど。 気づいたこと。 それは、スペシャリストの方が general で、ゼネラリストの方が special だ、ってこと。 ゼネラリスト 色んな分野を広く浅くつまみ食いし、…