機械に嫉妬する
小学生の頃、デフ(ディファレンシャルギア)の構造に感動した記憶がある。たぶん、子供向けの図鑑みたいなものを見たんだと思う。
思うに、デフよりも美しいソフトウェアは作れない。
さっきテレビにカラクリ人形が映っていた。ソフトウェアには、どんなに頑張ってもあの艶っぽさは無理だ。
機械にソフトが入ると、急に機械が醜くなる感じがする。
カラクリ人形の動きをソフトウェアで再現しても、そこには何の艶っぽさもない。俗っぽい嫌らしさがあるだけだ。
電子制御されたエンジンも、どこか色気に欠けている。
何故だろう?
機械とソフトの違いはどこから来るのだろう?
機械は「見える」し「触れる」。ソフトウェアには無理だ。
その違いはすごく大きい。
でも、本当に違いはそれだけだろうか。
分からない。
僕はプログラマとして、機械の美しさに嫉妬する。
そして、これ以上世界を汚さないために、せめてできる限り美しいソフトを書きたい。