クォータニオンの探検
※ 式の符号が間違っていたので直しました。[2008.12.05]
やべぇ、クォータニオンって結構むずい・・・。
先日読んだ論文に、クォータニオンでは下記の式が成立すると書かれていたのだけれど、これがどうしてなのかサッパリ分からず困っていた。
基本をきちんと勉強していないとこういう場面で困るという好例ですな。反省反省。
てなわけで、上記の式を理解するところまでを目的として色々とクォータニオンの式をいじってみたので、自分のメモをかねてここにまとめておくことにする。
ベクトルを使ってお洒落に表記
ここで次の2つのベクトルを定義しておく。
これを使うと、q は次のように表記できる。
ちょっとはお洒落になったかな。
掛け算しよう
次の2つのクォータニオンがあるとする。
これを掛け算するとこうなる。
ここで
掛け算の計算を進めるためには、ここで登場した行列 K について調べておく必要がある。
行列 K と外積の関係
ここでは行列Kを用いて2つのベクトル間にある「掛け算」を導入する。
この「掛け算」と外積との関係を明らかにすることがこの節の目的だ。
さて、行列 K は見れば分かるように反対称行列であるので、次式が成立する。
この性質から、次のことがわかる。
つまり、掛け算の順序を入れ替えると符号が反転するのである。このことからさらに、次の事実が導出できる。
以上から、この「掛け算」と外積は非常に性質が似ていることがわかると思う。というわけで、行列 K の話題にいく前にまず外積について整理しておこう。ベクトル v に対する作用素 L を次のように定義すると、
外積は次のように書くことができる。
以上を踏まえると、K による「掛け算」は次のように展開できる。
つまり
掛け算 つづき
では先ほどの結果を利用して掛け算の式を展開していこう。
ここでクォータニオン q に対する作用素 M を次のように定義すると
次のように書き換えられる。
さらに、次のように表記するものとすると、
掛け算は次式となる。
同様にして、次のように展開することもできる。
ここで
とおくと次のように書ける。
いよいよ冒頭の式を証明
いよいよ、冒頭の式
を証明することにする。
証明終わり。
あああああああああああああああああああ、疲れた。