コクリコ坂から【ネタバレ注意】

ブログって放置してる期間が長くなるとどんどん書きにくくなるね。気負って久々のポストにふさわしい内容にしようなんて考えだすと永遠に再開できなくなりそうなので、お気楽な内容で。

というわけで、表題の映画観てきたので感想をメモっときますです。

なんか割と好評な様子だったので久しぶりにジブリ映画を観に行ってみようなどと思い立ったわけです。ゴローさん汚名返上なんてコメントも幾つか見たのでそれなりに期待して。

でも・・・、自分としてはイマイチな感じだった。

音楽は割といい感じだったと思うし、ストーリーも綺麗にまとまっていたんだけど、でもそれだけ、という印象だった。どうも感情移入ができないというか、冷めて見てしまうというか・・・。(主人公のお父さんの名前が僕と同じだったので居心地が悪かったのも一つの原因かも(苦笑))

この映画は昭和を舞台にしていて、その昭和はことさらに美化して描写された昭和であって、しかもその中で進むストーリーは学校の古い建物を保存しようという運動であって、その上主人公の少女は炊事や家事に勤しむ実に実に昭和的な少女であって、おいおいそんなに昔が好きかよ昭和が好きなのかよと。

しかも保存運動の解決方法が理事長に直談判で終わり。えー・・・っていう感じ。

なんかこう、魅力ある敵キャラがいないんだよね。例えばさ、理事長とか校長のキャラをもっと出してさ、最後まで対決姿勢にしてさ、学生たちは建物に立てこもってブルドーザーやショベルカーを引き連れた理事長と対決!みたいなドタバタ劇にしちゃえば、もっと躍動感のある(昔の)ジブリらしいアニメーションもあり得たんじゃないかなあ、なんて。描かれている時代ってたぶん、ちょうど高度成長期に差し掛かったあたりなんじゃないかと思う。それくらいのドタバタがあってもいいエネルギッシュな時代だったんじゃないのかなあ、知らないけど。

いやいや、これからのジブリが描きたいのはそういうドタバタ劇じゃないのかもしれない。でもそれならもうちょっと大人な感じにして欲しかった。例えば舞台は高校じゃなくて大学にして。建物を取り壊したい学校側の事情も描いて。高度成長期の経済的な要請と、古いものにも価値を見出して守りたい学生側とのイデオロギーの対立みたいな構図にして。ああ、どちらの言い分も分かるなあ、みたいなストーリーに仕立ててれば面白そうな気がする。

それがさー、建物を掃除して理事長を招待して、「理事長歓迎」みたいな横断幕でご機嫌とって建物の保存を勝ちとって終わりって、そりゃないよ。学生が背伸びして大人にたてついて青臭い言葉を吐いて、そのゴールが大人の承認を得ることでいいの?今の時代に伝えたいメッセージはこれなの?

んー、もっと単純にラブストーリーとして楽しめば良かったのかな。単に主人公たちの恋愛をキュンキュンして観てれば良かったのかな。それとも僕の見方が単に浅くて、もっと深い意図やテーマがあったのかな。