理系の電卓 By 株式会社カタッチ

株式会社カタッチ設立

突然だけど、関数電卓を作ってみた。
http://www.quatouch.com/products/k3.png

「理系の電卓」という触れ込み。「逆ポーランド記法」と書けば分かる人には分かってしまう。

というか、分かる人には「何を今さら・・・」と思われちゃうかも。逆ポーランド記法なんて基本中の基本で、情報科学の初学者が勉強のために作る課題みたいなものだからね。
でも使いやすさにはこだわったつもり。学生が課題で作った電卓よりは使いやすくなっているハズだけど、さてどうだろう。

実は本日2006年5月11日、株式会社カタッチを設立した。そのカタッチのホームページに上記の電卓はある。

「設立した」と書くと私が経営者みたいだけど、私はあくまで従業員の立場だ。だからもちろん「私の会社」ではない。だけど今のところ私が唯一の従業員(技術者)だから、「自分の会社」という気持ちは強い。正直ちょっとビビっているけど、覚悟を決めて頑張る、且つ楽しむつもり。

「カタッチ」の名前の由来

「なんだ?この軽い感じの名前は?」と思われる方もいるでしょう。一行で名前の由来を書くとこんな感じ。

カタッチ = かたち + Quality-Touch

まず「かたち」について。カタッチは3次元CAD技術の会社。だからコンピュータ上での「かたち」の表現にこだわっていきたいと思う。
次に「Quality-Touch」について。やっぱりソフトウェアは touch が重要だと思うのだ。高機能でも touch の悪いソフトウェアって、使っていてすごくイライラするからね。だから単なる Hi-Quality ではなくて 、Quality-Touch を実現したいと思っている。

この2つを組み合わせて、かわいい感じの名前となった。親近感の持てるような名前にしたかったのだ。ユーザーとの距離が近い会社でありたいと思ったから。

なぜ電卓?

なぜCADの会社が電卓を作るのか?それはこんな思いがあるから。

CADは技術者(設計者)の電卓であるべきだ

イヤ、実は「電卓であるべきだ」というのは言い過ぎで、正確に言えば

設計者が電卓のように気軽に使えるCADがあってもいいじゃないか

という感じ。
CADとはComputer Aided Designの略で、「コンピュータ支援設計」と訳される。しかしこの Design 設計 という行為は定義が難しい。設計者というのは実に様々な事柄を考慮しながら意思決定をする必要がある。とすれば、CADのあるべき姿とはこの設計者の意思決定を支援することである。
しかしCADは時折次のように揶揄される(された)。

CAD = Computer Aided Drafting (コンピュータ支援製図)

つまり、「CADってのは製図してくれるだけでちっともDesignは支援してくれないじゃないか」という皮肉である。
私はこの皮肉を聞いて、「じゃあ本当のCADというのはどうあるべきなんだろう?」と考えてみた。これはとても難しい問題で、まだ全く答えは分からない。でも、Designという行為を突き詰めて考えてみると、もっともプリミティブなツールとして「電卓」があるんじゃないか、と思い当たった。この電卓はその思いをカタチにした結果なのだ。

電卓が出発点

多分今のCADは「製図」を出発点にしている。みんな最初は「お絵かきツール」だったのだ。だから Computer Aided Drafting などと揶揄されたのだ。製図を出発点にして「設計支援」の方向に進化している。
私は電卓を出発点にしたい。電卓を出発点にして設計支援の方向に進化させたら、現状のCADとは一味違うものが作れるかもしれない。それが一体どんなCADなのか今はまだイメージできないけれど、これから模索していきたいと思う。