なぜSIerは自分が作ったものを公開したいと思わないのか

これ、最初はちょっと意外だった。

開発者としての本音が知りたくて、何人か永和の受託開発メンバーに聞いてみました。サービス系(BtoC)をやってるメンバーでも、意外と非公開派が多いようです。

「自分が作ったこと、公開したい?」 - Be Happyman!!

受託開発の世界って、「何を作るか」の部分は「客に丸投げ」なんだよね、当たり前だけど。開発者側が自分で「こういうのが作りたい」とか「こういうの作ったら売れるんじゃないか」とか企画しているわけじゃない。客の「わがまま」に如何にスマートに対応して見せるかが腕のみせどころ、という世界なのだ。

日本の受託開発には、HowはあってもWhatがない。

404 Blog Not Found:極意より作品を - 書評 - 受託開発の極意

より正確に言えば、受託開発はWhatの部分には情熱が無いのであり、それゆえWhatを公開したいという情熱も生まれないのだ。あるいは、そんな情熱は持つべきではないのかもしれない。Whatに情熱持っている人って、大抵SIer辞めちゃうからね。

それでも、受託開発のWhatは色々と聞いてみたいと感じる。「動かないコンピュータ」とか何とか失敗事例はよく聞くのだけれど、「動くコンピュータ」の事例はあんまり聞かないからね。それがIT業界のイメージを悪くしている一因な気がする。
建設業界とかも色々と悪い話を聞くけれど、それでも身近な場所でビルが着々と建設されている様子は見ることが出来るからね。IT業界だってそういうところ、見せてもいいんじゃないかな。


そういう僕も受託開発をやっているわけだけれど、今の仕事は割とWhatの部分まで立ち入って開発できている感じがあって、なかなか楽しい。やっぱりお約束の「秘密保持契約」があって人に言うわけには行かないのだけれど、それがなかったら「こんなの作っているんだぜ」って色んな人に言いふらしてしまうかも。あと半年〜一年くらいしたら公開できるかなー。(←成功していればね

追記(反省文)

あまりに失礼な物言いだったか、と反省。もちろん受託開発でもWhatに真剣に取り組まれている方はいるので。申し訳ありませんでした。
これは僕の個人的な体験から、思わず書きなぐってしまったものです。
僕は前は受託開発ばかりをしていて、裏で顧客の愚痴を垂れたりとかして、要するに僕自身があまりWhatに情熱がなかったんですね。それで、立場が変わって自分で何を作るか考えなくちゃ、という状態になって、初めてそれがビジネスとして成立するのかとか色々と考えることになったわけで、そのときに「あー、今まではWhatは丸投げだったんだー、愚痴なんてえらそうに言える立場じゃなかった」と思ったことがあるわけです。
で、そういう企画から関わった開発って、すっごく人に言いたくなるんです。どう?こんなの作っているんだけど、どう思う?って聞きたくなるんです。
そんな思いから書いてしまったエントリです。反省のため、削除しないで晒しておきます。