ポリゴンデータ(STL/OBJデータ)の修正ソフト MoNoGon を発売しました

http://www.quatouch.com/products/monogon/MoNoGonLogoMini.png
モノになるポリゴン [MoNoGon] − 3Dプリンタ(立体出力)のためのSTL修正ソフト / 株式会社カタッチ

ようやく、株式会社カタッチとしてパッケージソフトを世に送り出すことになりました。ここまで漕ぎ着けることが出来て本当に嬉しいです。もちろん「売れるかどうか」という切実な問題はこれからが本番なわけですが、まずは自分が今、この位置に立っていることが単純に嬉しく、また誇らしくも感じています。と同時に、共に同じ進路を目指し一緒に船を漕ぎ進めてきた人たちにも深い感謝の念を感じています。

カタッチを興してからもう5年目です。カタッチの英語表記は QuaTouch であり、Quality Touch の略です。この社名は、単にバグが少ないとか高機能とかという意味の「品質」だけではなく、ユーザーとの触れ合う部分 − touch − にこだわったソフトウェアを創りたい、という思いでつけた名前です。今振り返ってみて、5年目にしてもう一度初心に戻ったソフトウェアづくりが出来たような気がしています。(ちなみに quality という単語には「品質」という名詞の意味だけでなく、「高品質な」という形容詞としての意味もあります。)

まあ、ちっぽけなソフトですよ?客観的に見れば。例えば自動車産業などと比べれば海に浮かぶ塵芥といっていいほどちっぽけなソフトです。でもね、塵芥でも水面にさざ波くらいは起こせるんじゃないかと思ってる。一寸の虫にも五分の魂ってヤツですよ。

なぜそう思うかというと、少なくともオープンスペースにボールを蹴り込んだはず、という感触があるからです。サッカーの喩えですが、ディフェンス側もオフェンス側も観客も誰もが右サイドに注目している局面で、ポッカリと空いた左サイドのスペースにボールを蹴り込んだみたいなイメージです。もちろん、単に的はずれなボールで失敗に終わる可能性だってありますが、うまくすればゴールに繋がるかもしれない「面白いボール」じゃないかと思っています。

その「面白いボール」のひとつが「当日ライセンス800円/年間ライセンス10万円」という売り方です。とりわけ当日ライセンスという考え方は少なくともこの業界では画期的なのではないかと自負しています。

SaaS - Software as a Service という言葉があります。ソフトウェアをモノと考えるのではなくて、サービスと捉える考え方ですね。資産として数えるのではなくて経費として扱う感じでしょうか(実際の会計処理がどうなるのか私は知りませんが・・・)。これはウェブアプリケーションの方面では常識的な考え方になってきているようです。しかしデスクトップアプリケーション、特にCAD系のソフトウェアにはまだこういった考え方は浸透してきていないように思います。そもそも SaaS という言葉はウェブの世界のものであってデスクトップアプリには関係ない話、と捉えられているのではないでしょうか。

しかし私は自社アプリにも SaaS 的な考え方を取り入れてみたい、とかねてから考えていました。当日ライセンス800円という売り方はある程度 SaaS 的な要素を備えることが出来たと言えるのではないでしょうか。これが「画期的」と呼べるのかそれとも「的はずれな愚策」なのかは今後数字となって現れてくるものでしょう。ただこの数字は短期的に評価すべきではなく、今後2〜3年の推移をみて評価していきたいと考えているところです。

今後ともカタッチと MoNoGon をよろしくお願い致します。