六本木ミッドタウン「骨」展が面白い

ちょっと気になっていた「骨」展、なんとなく暇つぶしの感覚でぷらっと行ったのだけれど、これが予想以上に面白かった。

洗練された構造を持つ生物の骨をふまえながら、工業製品の機能とかたちとの関係に改めて目を向けます。

http://www.2121designsight.jp/bones/about.html

自動車と動物と椅子と・・・、こういった一見無関係のものが「骨格」という視点で一箇所に展示されているわけで、普段見慣れている家具も骨格という視点で見つめなおすことができる。

注目すべきは、工業製品の骨格と動物の骨格が同列に展示されていることではないか。最近の工業製品は曲面が多く、有機的で生物的なデザインも増えてきた。そんな状況を踏まえて今後の工業デザインの行く末を考えるとき、工業製品と生物を骨格のデザインという視点で同列に展示することは意味がある、そんな風にディレクターの方は考えたのだと思う。

一昔前までは、人が意図を込めてデザインする工業製品と、生物が進化の過程でかちとってきたデザインが交差する機会はあまりなかったんじゃないかな。生物のカタチは観察するものであってデザインの対象ではなかったんじゃないかと思う。しかし、同展では人工関節の展示などもあり、デザインが生体と交差するシーンを意識させられる。そうかと思うと、工業製品のレントゲン写真も展示されており、こちらは逆に工業デザインが観察の対象になっている格好だ。

驚いたのは、手描きスケッチによる3Dモデラー「Teddy」の開発で有名な五十嵐氏の作品展示があったことだ。スクリーンに映った三角形メッシュを遠目に見て「あれ?なんかTeddyの論文で見たメッシュに似ているな」と思ったのだが、よく見たら本当に五十嵐氏の作品だったので驚いた。メッシュを見ただけで誰の作品か分かるなんて、僕も相当なマニアだな(苦笑。

他に面白かったものとしては、例えば骨格に小さな発光ダイオードが取り付けられた椅子があり、座ると応力がかかった骨格の発光ダイオードが光る仕掛けだった。僕は思わず椅子の下を覗き込んで、骨格にひずみゲージが取り付けられていることを確認してしまった。

他にも面白い展示がたくさんあった「骨」展、オススメです。