オリンピックのキルドレ達

スカイクロラを観てきた。

上映期間を、オリンピックの開催期間に重ねたのは何か意図があってのことなのだろうか。そんな、おそらくは見当違いの、深読みをしてしまった。

スポーツ選手は若い。まだ幼さを残した選手もいる。もちろん彼らも個々に見れば年をとっていく。だけれど、僕のような特定の選手に特別の思い入れがあるわけでもない人間にとっては、スポーツ選手は永遠の子供だ、ともいえるのかもしれない。スポーツの世界では次々と若い世代のニューヒーローが生まれているわけで、それを眺めていると自分だけが年を重ねているような錯覚を感じてしまう。幼少の頃にテレビで見ていた選手たちの年齢に、僕はいつの間にか追いついてしまい、そして追い越してしまった。

そんな「子供たち」が国の威信をかけて戦っている。それを「大人たち」が観戦し、熱狂している。そんな構図が、なんだかスカイクロラに描かれている世界に、ちょっとだけ重なって見えてしまった。

今回のオリンピックでも、栄冠に輝いたキルドレもいるし、現役の舞台から去ろうとするキルドレもいる。そして4年後は、また新たなキルドレたちが戦地へと赴くのだろう。そして僕たちはまた、それを観戦し、熱狂するのだろう。

そんな気の遠くなるような繰り返しの中で、僕たちは「世界は一つ」という幻想に酔いながら、年をとっていくのかもしれない。