縦糸が足りない?

僕はプログラマとしての「横のつながり」は一応あるし、それはとても楽しい。楽しいのだけれど、ちょっとそれだけでは不味いんじゃないか、などと思い始めている。
「縦のつながり」を持っていないから。
縦の人脈、例えば異業種との人脈、例えばお客さんとの人脈が、ちょっと弱点だなぁ、などと思っている。あるいは、今後このままでいると、縦の人脈が弱点になるぞ、という予感がしている。


人脈だけじゃない。
ビジネス感覚を身に着けたい。経営センスを身に着けたい。市場のことも知りたい。
「縦糸」が欲しい。


どうもうまく言えないのだけれど、要するに、こうなりたくない。

 「ものづくりは実に面白い。その面白いことを毎日できるわけだから、技術者の給料は安くてもいいのです。それで十分幸せなんですから」

だから技術者は報われない | 日経 xTECH(クロステック)

この記事はとにかく経営者が悪いという論調なのだけど、どうも僕はその論調には気持ちの悪さを感じている。上記の引用は経営者の台詞だが、技術者だってそう思っていた節があるんじゃないだろうか。技術者と経営者の双方が互いに、「私作る人、あなた経営の人」という感じに壁を作っていたんじゃないだろうか。技術者は横のつながりだけで技術を競い合っていただけで、「何が売れるか」というセンスを磨いてこなかったんじゃないだろうか。経営者だけでなく、双方が代わる必要があるのだ。


どんなに高い技術を持っていても、それがマーケットに届かなければ価値を発揮しないのだ。技術者は技術に閉じこもっていれば良いというわけではないはずだ。


確か以前に id:fuku33 さんが書いていたと思うのだけれど(違っていたらスミマセン)、既成の経営学というのはとにかく大企業向けで、企画と設計と製造と営業がきっちりとレイヤーに分かれていることが前提で、だけれども中小企業ってのは「〜学」というほど大仰なものは不要だからとにかくこれらを縦に繋がなくてはいけなくて、そういう中小企業論が必要なんじゃないか、云々。

僕は今、零細企業に身を置いているわけで、そういう状況にあると自分は技術だけというわけにはいかない、ということを強く感じる。前職のときは経営者に対して敵対心のような壁を作ってしまったこともあるのだけれど、今はもう敵とかいっている場合じゃなくて、とにかく互いの得意分野を生かしてキャッシュを生み出さないと、って感じだ。そんなわけで、id:fuku33さんの仰ることは良く分かるなぁと思った次第。

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます
(糸、中島みゆき

横糸だけでは布にならない、という当たり前のことを、改めて強く感じている。