方法論より「夢見るチカラ」!

アジャイルだけじゃダメなんです。

なぜ残業をなくせるかというと、それは(当たり前のことなんですが)開発のビジネスオーナーが自社だからです。受託型の開発だと、それはなかなか難しいのだと思います。

残業のない開発現場、ビジネスとITのリスク共有:An Agile Way:オルタナティブ・ブログ

もっとも,これは自前で開発しているソフトウエア製品だから可能な話で,顧客企業やエンドユーザーが開発のスコープを決める受託開発ではこんなことは容易にはできません。

残業ゼロの開発現場 | 日経 xTECH(クロステック)

そう、コレ。
僕らのやっているのはママゴトじゃない。ビジネスなんだよね。朝会とかペアプログラミングとかだけで「顧客の要求に振り回される」ことが回避できるはずがないじゃないか。それを回避し、開発現場を自分たちの手に取り戻すにはどうすればよいのか。
そう、自分たちがビジネスの主導権をとるしかないのだ。


「考具」という本に「夢見るチカラ、カタチにするチカラ」というスローガンが載っている。

私が会社に入ったときのエピソードです。配属されたCC局は「夢見るチカラ、カタチにするチカラ」というスローガンを掲げていました。・・・

http://www.amazon.co.jp/%E8%80%83%E5%85%B7%E2%80%95%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E9%81%93%E5%85%B7%E3%80%81%E6%8C%81%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%8B-%E5%8A%A0%E8%97%A4-%E6%98%8C%E6%B2%BB/dp/4484032058

僕は、日本のソフトウェア技術者はレベルが低い、なんて思わない。「カタチにするチカラ」は十分に持っている。自信を持つべきだ。
でも、もっと「夢見るチカラ」を育ててもいいんじゃないか。平鍋さんには、そしてチェンジビジョンには、「夢見るチカラ」がすごく備わっている気がする。そのチカラで開発現場を技術者の手に取り戻した。ビジネスの主導権を獲得した。勝手にそう見ている。
そのためのヒントが先ほどの平鍋さんのブログに図示されている。右側の「ミッション・リスク共有型のビジネスとアジャイル型開発」という図だ。左図のようにビジネスとITの間に境界を作ってしまうのではなく、自らが市場やビジネスの中に入っていく。その中で、自らが夢を見て、自らでカタチにする。そうやってこそ、主導権が取れるのだ。うーん、いい図だなぁ。


XPの標語に "Embrace Change" っていうのがあるけど、そんなに甘いもんじゃないよ、って思う。

6. 周囲を引きずり回せ! 引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる。

http://dokugaku.info/dentuu.htm

すごいですねー、鬼十則
オブジェクト指向技術とかアジャイル手法とかが持つ「変化に対応する能力」っていうのは、「顧客の要求の変化に対応する」みたいなつまらないことが目的じゃないのだ。自分たち自身が変化して「周囲を引きずり回」すために使うのだ。それがビジネスの主導権を握るということであり、それが開発現場を自分たちの手に取り戻すということなのだ。


"Embrace Change"
この "Change" の主語は「環境」ではない。「あなた」だと思う。