3次元CAD業界のイノベーションのジレンマ

amazon:イノベーションのジレンマを読んだ。ご存じない方は、中島聡さんのブログに素晴らしい解説があるので参考に。

Life is beautiful: 図解、イノベーションのジレンマ

現在の3次元CAD業界の主流市場では、性能の指標として

  • 処理速度
  • 精度
  • 扱えるデータ量

が幅を利かせている。主流市場とは、主に自動車業界だ。自動車業界がこれらの性能を要求してくるのは当然のことだろう。実際にまだ、これらの性能が足りないのだ。しかし自動車業界の高い要求についていくのは非常に難しい。だからこそDassaultなどは高い収益を得ているだろうし、その市場に食い込んでいくことはほとんど不可能に近い。
しかし、だからこそウチのような小さな会社でも何かが起こせるかもしれない。そんな勇気と希望を、この本から貰った。
きっと近い将来、CADの性能(処理速度、精度、データ量)はユーザーのニーズを越える。そうなったとき、ユーザーの性能指標は大きく転換する。例えば

  • 柔軟性
  • 信頼性
  • 価格
  • タッチ(!)

などだ。こうなったとき、巨大企業は市場の動きについてこれない可能性がある。ここにこそ、小さな企業が付け入る隙があるはずだ!
CADで主流のNURBS表現に対して、CG系で扱われるポリゴン技術は破壊的イノベーションとなり得ると思う。現段階では、ポリゴン技術は自動車業界のニーズを満たせないだろう。しかし、5年から10年も経てば技術は改良されるし、PCの性能も向上する。その頃には自動車業界のニーズを満たす可能性は十分にあるのではないか。
私は、この方向に賭けてみたい、と思っている。